VertPath.exe

 落差の大きい立ち壁の2Dライン加工って、どうしてますか? 5面加工機などがあれば、それほどの問題は無いのですが、3軸フライスで解決しなければならないとき・・・。

 多くの場合、本当に必要なのは上部数十ミリだと思います。 それならば、粗加工さえ出来れば、必要な高さまで仕上げて、2番を逃がしてしまえばいい。 しかし、スライド面などで、300mm くらい下まで必要になってくると、通常のライン加工では刃が届きません。 届いたとしても、工具の逃げを考慮すると、前途多難です。 ならば、突いてみたら・・・。

 そんな背景があって、この 「VertPath.exe」 が作成されました。 突き加工によって仕上げてしまおう、という試みです。 工具の逃げは、ライン加工より抑えられることが期待できます。 カスプの問題は、十分に大きい工具径、十分に小さい送りピッチ、によって必要精度を確保するように設定可能です。

 しかし、実はこの加工、実現はしませんでした。 5面加工機を持つ業者に外注してしまった為です。 それらしいパスは作成できるので掲載しましたが、ご使用になられる場合、十分に注意してください。


VertPath.exe ダウンロード (VTPH_100.exe : 284KB)


使用方法
基本的な画面は、つぎの2つです。メイン画面と、ファイル選択ダイアログになります。



  要素タイプ  パスを作成する、2D要素を選択します。 が、現状は 「2点線分」 以外はサポートされていません。 内部的には、直線、円弧を繋いだラインに拡張可能な構造をとっています。 最終的には、2D NCパス を入力することを想定していましたが、この辺りはご要望があれば、考えていきたいと思っています。

  始点  要素の開始点の、X,Y,Z の値を入力します。 が、Z の値は参照されていません。

  終点  要素の終了点の、X,Y,Z の値を入力します。 が、Z の値は参照されていません。

  工具補正  始点から終点に向かう方向に対して、右、左、線上、の中から選択します。 工具径補正と同等に考えてください。

  加工 Z 範囲  上限 から 下限 の間を加工するパスを作成します。 現状、上限へのアプローチのクリアランスは、5mm 固定です。

  工具 直径  使用する工具の直径を指定します。

  工具 回転  加工時の工具の回転数を指定します。 開始ポストの [SPIN] キーワードに反映されます。

  加工速度  切削時の工具送り速度を指定します。

  退避速度  一方向加工時の退避の速度を指定します。 両方向加工の時には、使用されません。

  残し代  仕上げ代を残したいとき、その量をしていします。

  ピック
カスプハイト
 工具送り量、または、面精度としてカスプハイトを指定します。 これらの値は連動しており、どちらを指定しても構いません。 工具直径を変更した場合は、カスプハイトが再計算されます。

  経路  一方向加工なのか、両方向加工なのかを選択します。
  ホーム X,Y,Z  工具のホームポジションを指定します。 開始ポストの [HOME_X] [HOME_Y] [HOME_Z] キーワードキーワードに反映されます。

  出力ファイル ボタン  ファイル選択のダイアログが起動します。 選択されたファイルは、メイン画面のテキストボックスに反映されます。 
 また、ファイルの種類のデフォルトは、NC File、拡張子は .nc になります。

  ポスト  開始ポスト、および、終了ポストを各10行づつ、ini ファイル内に設定できます。 標準的ポストを記入した ini ファイル が添付されています。 [ ] で括られた部分は、キーワードになります。 その他は、記述の通りの文字で出力されます。
 使用できるキーワードは、[HOME_X] [HOME_Y] [HOME_Z] [SPIN] [CAN_H] {END] になります。 各ポストの終わりに {END] を必ず挿入してください。

  実行ボタン  設定に従がって、パスを作成します。

  閉じるボタン  アプリケーションを終了します。


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